毎日何かと忙しい私たちは、できるだけ予定を
詰め込んだり、移動中に連絡を取り合ったり
ランチやカフェでは、食べながら・飲みながら
情報をチェックすることってありませんか?
私もできるだけ隙間時間を有効活用したいなと
思う派なのですが、裏を返せば何もしない
「ぼんやりする時間」はもったいないし
生産的ではないと考えている傾向があります。
しかし、実は最近の脳科学の研究から
こうした「ぼんやりする時間」にも
脳にとっては重要な活動をしていることが
分かってきたと言われているので
今回はそのあたりの話について書いていきます。
何もしていない時こそ活性化する「デフォルト・モード・ネットワーク」とは?
私たちは、一生懸命仕事をしたり
誰かとコミュニケーションを取ったり
学んでいる時だけ脳は活性化していて
リラックスしたりぼんやりしている時間は
どちらかというと脳を使っていないのではないか
と思いがちです。
しかしこの「何もしていない時」にこそ
活性化する脳内にある特定の神経回路群
デフォルト・モード・ネットワークが
あるというのです。
英語でDefault Mode Networkと書くので
略してDMNと言われますが
これが活性化する状態というのは
- ぼんやりしている時
- 過去を思い出したり、未来を想像する時
- 自分について内省をしている時
- 他者の気持ちを想像している時
- 空想にふけっている時
などが挙げらるそうです。
つまり外界や目の前のことに
あまり注意が向いていない状態の時
ということですね。
こうした特徴からも、内的世界の処理に関係する
ネットワークと考えられているのですが、
- 自分で自分を客観的に認識する
- 過去の経験を振り返ったり
未来のことを空想して計画を考える - 自分以外の他者や物事への理解や共感
- 出来事の意味づけや物語の構築
仕事など、すぐに取り組むべきタスクなどに
対応している時は、DMNが抑制される
というのが、また面白いですよね。
ちなみに外界の課題に集中している時は
タスクポジティブネットワーク
(Task Positive Network:TPN)
と言われています。
何もしていない「ぼんやりする時間」は無駄なのか?
DMNが活性化している時、つまり内定世界の
処理の方に意識が向いている時というのは
自分が体験したことの意味づけや整理
感情の整理などが行われて、長期記憶へと
つながっていく時間になります。
バタバタと毎日を過ごすと、あっという間に
1日が終わる時ってあると思うのですが
気がつくと「今日は何をやっていたんだっけ?」と
感じることもあるでしょう。
タスクはたくさんこなせたかもしれませんが
その意味づけや整理、次のつなげていくための
構想などの時間もないと、機械的な時間が続き
メンタル的にも疲弊してしまう可能性があります。
「ちょっと休憩したいな」という気持ちに
なるのは、実は脳が同じモードで
働いていることからの切り替えを
促しているのでしょう。
そういう意味で、何もしていない
「ぼんやりする時間」というのは
日中の時間でも意図的に入れていく必要が
あるのではないでしょうか。
また、アイディアが浮かぶ瞬間というのは
お風呂でシャワーを浴びている時など
自分がリラックスしている時に
突然ひらめくことってありませんか?
こういう時もDMNが関係していて
オフィスでの会議中で良いアイディアが出る
ケースもあるでしょうけれども
リラックスしている時に創造的な発想も
生まれやすいことから、「ぼんやりする時間」は
無駄とは言えず、むしろ積極的に活用する
視点を持っておいた方が良いでしょう。
DMNのネガティブな側面には注意
ただ、DMNにはネガティブな面もあると
言われていまして、DMNが過剰に
働きすぎてしまうと
- ネガティブな思考をどんどん繰り返して
外の世界に意識が向かない - ずっと過去を悔やんでいたり
ずっと未来を心配している - 目の前のことに集中ができず
注意力が散漫に
といったことが考えられます。
よって、DMNそのものが悪いということではなく
TPNとのバランスが大切ということですね。
そして現代人はタイパ・コスパを求める傾向も
強いと思うので、どちらかというと
「ぼんやりする時間」の方が減っているのでは
ないでしょうか。
なので私的には、DMNが活性化する時間を
自分の予定に入れたり意識的に切り替えることで
脳の中で情報を整理したり、創造性を高めたり
フィジカルだけではなくメンタルの健康に
もつながると考えています。
DMNの時間を毎日の生活の中に取り入れていく
「ぼんやりする時間」と、DMNのことを
表現してきましたが、単に「ぼんやりする」
だけではなく
- お気に入りのカフェにて、美味しい
スイーツなどと一緒に、スマホを遮断して
ゆっくりその時間を楽しむ - 電車で移動中にスマホで情報チェックを
するのではなく、車窓からの景色を眺める - ガーデニングしている植物たちに
水やりをしたり、飼っている猫と遊ぶ
例えば上記のよな時間も、DMNを
活性化させている時間とも言えますよね。
オンとオフの切り替えが大切とも言われますが
あまりオンが続いて集中しすぎてしまうのも
考えものです。
特に社会生活する中で他人と関わり合いながら
生きていると、他人の気持ちを想像したり
思いやることも大切になりますよね。
集中していない時間が無駄で非生産的と
考えるのではなくて、集中と内省のバランスや
リズムを切り替えることで、より創造的な
仕事ができたり、豊かな時間を過ごせるのでは
ないでしょうか。
なので、1日の予定の中で集中して
仕事やタスクに取り組む時間と同じように
休憩したり何もしない時間、DMNとなる時間を
入れるように心がけてると良いのかなと
私は考えています。
ということで今回は、「ぼんやりする時間」に
関して、脳科学から見た視点について
まとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?
このあたりの話、下記の本にも
少し登場するのですが、朝に限らず
日々持っておきたい習慣として紹介されており
気になる方はぜひ読んでみてください。
最後になりますが、一度きりの人生を楽しむために
必要なことを学べるセミナーを
メンバーさん向けに発信していています。
先日もタイムマネジメントの話をテーマに
セミナーを収録していて、アーカイブも
ありますのでご興味ありましたら下記より
ご登録してご視聴いただけたらと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。