エニアグラムといえば、以下の図のように
人を9つのタイプを分けて、自己理解・他者理解を
深めていく文脈で使われることが
現代では一般的ではないでしょうか?

日本エニアグラム協会のパンフレットから抜粋しました
私も過去に受けたことがあり、結果は忘れて
しまいましたが、自分や他者を知るツールとして
面白いものだなと思っていました。
しかし元々はスーフィー(イスラム教の神秘主義)
の伝統の中で、人間の欲望や自己実現を超えた
内面的・精神的な成長、魂の浄化や
神様に近づいていく手段として
利用されていた歴史があるようです。
このあたりの話について、先日少しご紹介した
グルジェフという人が宇宙法則を象徴する
神秘的な図としてエニアグラムを解説しています。
なので今回、一体どのような内容で
現代を生きる私たちの毎日の生活の中で
どのように活用できるの?という点について
書いていきたいと思います。

以下の本からエニアグラムの図を抜粋しています
改めてエニアグラムの図は上記ですが
これの一体どこが、「宇宙法則」と言われるような
時代がどう変わろうとも普遍的に大切なことを
示していると言われるのか?ですが
要素としては2つあります。
1つ目が「3の法則」で
もう1つが「7の法則」と言われるものです。
3の法則とは?
まず「3の法則」ですが、エニアグラムの図で
3と6と9を結ぶ点線で作り出される
三角形で示されるものです。
これは世の中のすべての現象は
- 能動的な力
- 受動的な力
- 中和する力
の3つが生じて次の段階に進むというもの。
能動的な力とは、何かを衝動的に始めることや
始めたいと思う動機、創造して0→1を
生み出す力となります。
受動的な力とは、文字通り受け身で現状維持
コンフォートゾーンにとどまろうとしたり
惰性や抵抗する力、障壁となる力のことです。
中和する力とは、この両者を統合して
新しい状態をうみだす力。
つまり何かを始めようとする出発点(9)があると
それを抵抗するもの、課題となるもの(3)が
現れるので、克服したり第三の視点で
両者に適応できるものを生み出す(6)と
物事が次の段階へと進んでいきますよ
ということを示しています。
新しく物事を始めると、3日で飽きてしまうので
それを克服する方法を見つけることで
継続できて物事が新しいステージにいく
ともいえますね。
あるいは、Aという意見があれば
Bという反対意見が出てくるので
両者を統合するようなCを見つけて
はじめて次の段階にいくともいえます。
Aという意見だけに固執していては
Bという反対派を取り込むことができない。
だからと言って、Bという反対意見に
妥協してしまっては、元々のAが達成できない。
ではどうするか?といえば、両者を統合したり
調整していくことが大切ですよというメッセージ
が3の法則の伝えたいこと。
確かに、日常生活の様々なことや
仕事上での話し合い、政治や経済・外交の
交渉ごとなど他の国々とのやりとりにおいても
一方的な考えで反対意見を押し付けてしまうと
必ずうまくいかなくなるということは
歴史上でも、繰り返されていますよね。
また広義の意味では、
- 男性と女性がいて、子供が生まれる
- 陰と陽があって、中庸が生まれる
- 天と地があって、人が生まれる
というような、両極があるからこそ
第3のものが生み出されるとも言えるので
世の中全体、もっといえば宇宙全体に関わる
法則とも言えそうです。
ちなみにタロットカード大アルカナの
3番目のカード「女帝」も、対立するものに
対して新しい第3の視点を生み出す意味が
ありますが、「3」という数の原理から見ても
共通していることがわかります。
女帝(3番目)のカードについて数字・絵柄からの意味やメッセージを解説します。
7の法則とは?
続いて7の法則ですが、これはエニアグラムの図
でいえば、1→4→2→9→5→7→1の線を
示しているのですが、物事が変化するプロセスを
指しています。

1→4→2→8→5→7→1→、、、と結べます
実は音階(ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ)と
共通しています。
音階はドから次のドまで7等分されているように
見えるのですが、実はミ→ファとシ→ドの
2箇所だけ半音上がる形
その他は全音が上がるようになっています。
この半音の2カ所が、ショックポイントと呼ばれ
変化のプロセスを妨げたり中断させたり
ハードルとなってプロセスが止まってしまう点
と言われています。
例えば、ということでChat GPTに聞いてみると
例:学習や成長のプロセス
1(目標設定):新しいスキルを学ぶ決意
4(初期の理解):最初の学びで順調に進む
2(停滞・混乱):理解が進まず挫折
(最初のショックポイント)
8(適応):新しい方法を試しながら継続
5(さらなる発展):深い理解が進む
7(仕上げ):実用的なスキルとして定着
1(次のレベルへ):次の段階の学びへ進む
(ここで2度目のショックポイント)
という感じで、最初に慣れてきた頃に
うまくいかなくなるショックポイントがあること。
そして、それを乗り越えて次の段階へと
ステージアップする前の2つに
高いハードルが現れるということですね。
先ほどの3の法則と合わせて考えてみれば
エニアグラムは物事が発展したり進化する流れを
視覚的に見ることができると言えます。
ちなみに、なぜ1、4、2、8、5、7という
順序になっているのでしょうか?
- 1、2、4、5、7、8じゃないの?
と思われたかもしれませんが、実はこれは
循環小数から来ていまして、1を7の法則の
7で割ると
- 1/7=0.142857142857・・
と永遠に数字が循環して割り切れず
1、4、2、8、5、7、の数列が
続いていくのです。
だからこそ宇宙の法則とも言われるのだと
思いますが、この数列が循環していくこと。
そして音階のように、変化のプロセスでは
途中でショックポイントが2つ出てきますよ
ということを7の法則では示しているのです。
そしてドから始まって、1オクターブ違う
ドに到達して、また次の音階が始まるわけです。
このように、同じところをグルグル回るように
見えるのですが、1周りすると1段上がるように
人間は進化していくことも言えるのですが
グルジェフはそのことをオクターブの法則
と言っているので、最後にここも解説をしてみます。
オクターブの法則とは
別名「次元上昇」とも言っているようですが
先日のブログで書いたグルジェフの水素表の
話ですね。
グルジェフの水素表から分かる「目覚めた人」になっていくための方法
上記のグルジェフの水素表にて、H48の人間が
普通の状態だが、これは「寝ている状態」であり
「機械的な状態」と表現していました。
これが目覚めて、次元が1つあげると
H24の人間になり、主体的な人間になるよ
という話ですが、48という数字は
周波数を表しています。
48の半分になると、24になるわけです。
これは音階と一緒で1オクターブ上がると
周波数が半分になることから来ているのです。
1つ次元が上がること=周波数が半分になる
ということですね。
なので、何か1つ成功して目標達成したとしても
また1からスタートしてショックポイントという
停滞しがちな状況が必ず出てくるので
それを乗り越えて・・という、このサイクルの
繰り返しが普遍的な法則、オクターブの法則
となるようです。
季節の春夏秋冬も、毎年寒い季節から
暖かい季節に移行して、また寒い季節を迎えて
1年が経過します。
1日というサイクルも同じで、太陽が登って
気温が上がって、やがて日が沈んで
夜になりますよね。
自然のサイクルも、同じことを繰り返しながら
らせん階段のように次のステージに移っていく
わけなので、物事の変化も音の変化も
自然の変化も宇宙共通と言えるのでしょう。
ということで今回は、性格診断テストの
エニアグラムではなく、グルジェフが
エニアグラムで伝えたかったこと。
物事が発展したり進化していく流れや
ポイントとなる事柄を、視覚的に表現している
エニアグラムについて、まとめてみました。
目に見えない世界、スピリチュアルの世界
というのは、単なるフワッとした世界の話ではなく
目に見える現実世界とそれらを超えた世界を融合し
どうしたら物事を普遍的に考えられるのか?
という取り組みだと私は思っています。
より大きな視点で世の中を捉えることができると
一度きりの人生において、より本質的に
大切にしていきたいも見えてくるので
引き続き学んでみて、ブログなどで
アウトプットしていきたいですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。