エフェクチュエーション(effectuation)の理論
という、成功した起業家の思考や行動の共通点を
体系化したものがあるのですが、実はこれって
起業家のみならず、私たちが自分が思う理想未来を
実現していく時に、とても参考になる
アプローチではないか?と思ったので、今回は
- そもそもエフェクチュエーションとは何か?
- エフェクチュエーションをどう活用するか?
についてご紹介していきます。
聞き慣れない言葉「エフェクチュエーション」とは何か?
エフェクチュエーションという言葉そのものは
検索したりAIに聞いてみると意味など出てきますが
米国バージニア大学の経営学者である
サラス・サラスバシー教授が、世の中の起業家たちを
分析して、そこから成功につながったであろう
思考や行動の共通点をまとめているものです。
どのような共通点があるのか?について
以下5点を挙げているので、簡単にご紹介。
【1】手中の鳥(Bird in Hand)の原則
ビジネスチャンスを生み出すことを考えた時
既に自分が持っている手持ちの札(ふだ)から
チャンスを作っていこう、というものですね。
まずは元々自分が持っているリソースを把握する
ことから始めましょう、無いものを嘆いたり
無理やり取りに行くことではなく、あるものから
全てを始める、ということですね。
【2】許容可能な損失(Affordable Loss)の原則
起業家なので将来失敗する可能性も
たくさんあるわけですが、どこまでの損失を
許容するか?をあらかじめ確認しましょう
把握しておきましょう、ということです。
いきなり全てのリソース(お金、時間など)を
100%投入して失敗すると致命傷で再起不能に
なりますよね。
なので、小さな1歩からスタートすることで
行動もしやすいでしょうし、行動するからこそ
うまく行かないことというフィードバックがあり
そこから学習して気づきが得られ、速やかに
軌道修正ができるというものです。
【3】パッチワークのキルト(Patchwork Quilt)の原則
様々な形や色の布を継ぎはぎしながら
一つのプロダクトを仕上げていくことを
示していますが、利害関係者と協力して
パートナーシップを組んでいくことの大切さ
を意味しています。
逆に、ジグソーパズルのような
最初から完成図があり、きっちり役割分担が
されていて、ピースを当てはめていくだけ
ではないよ、ということですね。
【4】レモネード(Leminade)の原則
もし質の悪いレモンが手に入ったら
レモネードにでもして活用しましょう
という例えですね。
起業家は予測不可能な出来事が
いつも起きるわけなので、想定外の悪い出来事で
あったとしても、良い機会と捉えて
偶然をチャンスにしていくことを意味しています。
ポストイットを開発したスリーエム社の話が有名で
接着剤の開発をしていた所、偶然できてしまった
「くっつくけど、はがれやすい」ものに対して
失敗作として考えるのではなく、何度でも手軽に
貼り直すことができる「ポストイット」として
商品化した事例などが当てはまりますね。
【5】飛行中のパイロット(Pilot in the Plane)の原則
飛行中は周囲の状況を適宜確認しながら
臨機応変に対応していくものですが
外部要因(気候・気温など)は自分では
コントロールできないけれども
自分がコントロールできることに集中して
自分が目指したい目的地に飛行していくこと
を意味します。
エフェクチュエーションを自分が思う理想未来を実現させるために活用する
私は、このエフェクチュエーションの話を
読んだときに、これって起業家として
0→1で新しい事業を展開していく人だけではなく
名もなき個人が自分が叶えたいことや
理想を実現していくプロセスにも活用できそう
と感じました。
【1】手中の鳥の原則で言えば、コーチングの
セッションなどで、まず自分の理想や
やりたいことを自由に想像して、そこに向けて
「今日どこからやっていきますか?」などと
未来から逆算していく方法を取っていく
アプローチがあります。
ただ、そもそも自分の理想と言われても
よくわからない・・という人もいると思います。
そういう時こそ、自分の理想の前にまず
- 自分って何者?
- どんなことができる?
などとリソースを確認することが大切ですね。
自分が今持っているものというのは
才能や技術や経験だけではなく
自分が好きなもの(嫌いなもの)や
性格や特徴なども当てはまりますね。
「自分の取り扱い説明書」のようなものを作る
イメージで自分を把握することは
自分の理想未来を引き寄せる上で
最初にやるべきことかなと思っています。
そして無いものをいきなり取りに行くよりは
今持っているものを活用するためには?
という視点の方が、ファーストアクションも
起こしやすいですね。
【2】の許容可能な損失の原則についても
- 「じゃあまずここからチャレンジしようかな」
という気持ちになって、資格を取ったり
セミナーに参加したり、人によっては副業や
転職にチャレンジすることになるかも
しれませんが、いずれにしても行動すれば
必ず成功すると約束されているものは
1つもありませんよね。
チャレンジしたけれどもうまくいかなかった
ということは、生きていいればあるあるの話で
いきなり全てのリソース(お金や時間など)を
全投入するというよりは
- 自分にとってどこまでが許容範囲なのか?
をあらかじめ確認していく方が賢明でしょう。
お金だったら、いくらまで自由に使っていい?
を計算することかもしれません。
時間であれば、例えば家族や子どもがいるので
あれば、可処分時間として1日にあと
どれくらい使えそうなのか?
新しいチャレンジに時間を使うのであれば
これまでやっていた行動のうち、何かをストップ
しなければいけないでしょう。
そうするストップしたときに出てくる影響や
メリットデメリットは何か?などをしっかり
事前に把握しておくことが大切になりますね。
【3】パッチワークのキルトの原則については
他者と競争したり、上下関係や契約でお互いを
縛り合うような関係性でなく、共感と
精神的な報酬でつながることができるパートナー
のような考え方が良いという話です。
パートナーと聞くと夫婦関係の話にも
聞こえそうですが、そうではなく
友人や仕事で関わり合う人間関係にも
当てはまることだと思います。
もちろんビジネスなど、契約というルールは
大切になりますが、根底には相手との信頼関係が
あってこそ、仕事を一緒にできるものです。
何よりも、こういう人と一緒に過ごしたいな
という気持ちが出てくるか?を原点にして
お互いに依存しすぎることなくパートナーのような
対等の立場で良好な関係が継続できると
理想の未来も引き寄せやすく
なるのではないでしょうか。
【4】のレモネードの原則ですが
VUCA時代とも言われる中で、未来のことを
しっかり予測するのが難しい今だからこそ
予定していなかった出来事をチャンスにしたり
その機会をきっかけとして新しいことに
チャレンジしてみるマインドセットが大切
だと思います。
私自身のことを振り返ってみても
思い当たる節がありまして、独立してから
起業家の人にお会いする機会が増えた中で
占星術を自分の人生デザインにどのように
活用するか?の視点で教えてくれる人が
いました。
占いなど、全然興味がなかった私ですが
吉凶占いとして活用するのではなく
コーチングのように人の人生デザインに
使っていくというのは面白く、今では
それが仕事の1つにもなったりしています。
最後の【5】飛行中のパイロットの原則ですが
常に周囲からの定量的・定性的なフィードバックを
もらいながら、どんどん外部環境が変化する中で
まず自分が自分の人生の操縦席に座って
自分でコントロールすること。
そして、自分ではどうすることもできない環境要因
経済動向などに労力を使うのではなく
自分でコントロールできることに注力して
具体的な行動にフォーカスしていくことが大切
ということを指していますよね。
こうしたエフェクチュエーションのアプローチは
今の時代の流れや環境変化のスピード感からすると
起業家のみならず、自分で自分の未来を
切り開いていきたい人にとっても、考えるための
指針になるのではないかなと感じたので
今回、ご紹介させていただきました。
最後になりますが、先述した占星術を
ライフデザインに活用することをテーマにした
セミナー&動画をメンバーさん向けに
公開しています。
アジェンダとしては以下の通りですが
- 占星術をライフデザインに活用するとは?
- 自分自身の設計図であるホロスコープ
- 人生におけるテーマを示す10天体
- 目に見えない性質や欲求を示す12サイン
- 目に見える場面を示す12ハウス
- 天体同士の位置関係にをみるアスペクト
- ケーススタディ:実際にリーディングしよう
もしご興味あれば、下記よりメンバー登録
していただき、ご覧ください。
→登録はこちらから
最後までお読みいただき、ありがとうございます。